BREADEN TIMESをご覧の皆様こんにちわ。field staffのつーです。
季節はすっかり春ですね。アフターからの回復を果たしたメバルたちが本格的に動き出す季節。ここから初夏までが一年でもっともメバルの釣りやすい季節になってきます。楽しみですよね。
今回は今季のここまでの釣りを振り返って、2月から4月にかけての僕のメバル釣りについて書かせていただきます。
この季節のポイントはほぼ決まっていて、流れと灯りのあるdeepエリア。2月といえばメバルはまだアフタースポーンの回復期にあり、海水温も一年で一番低い時期。日本海側は天候も不安定でシャローはまだポイントになりづらい、そんな季節。いつの季節も同じですけれど、釣れるポイントを考えるためにはメバルの気持ちになることが大事です。この季節のメバルが何を求めていたのか?考えてみましょう。
スポーニングで体力を使い果たしたメバルはなんとか早くそこから回復したいはずです。しかし海況は厳しく、ベイトが豊富な海ではありません。長距離を移動して探し回る体力もないんです。決まった場所で、確実に、お手軽にエサを摂りたいと考えています。そのためには状態の安定した海域で、少ないベイトがより凝縮されるような場所を選ぶはずです。
この時期、海に発生するベイトは主にプランクトン系。アミや生まれたばかりの極小のシラスとかそういうものです。それらプランクトン系の生き物は総じて正の走光性を持っています。灯りに集まるんですね。遊泳能力も限られるため移動の手段として潮流を使い、少し沈めば海水の安定も得られる場所に集まる。なのでそれが先述した、流れと灯りのあるdeepエリアなんですね。全体的にベイトっ気の薄い中、そこに凝縮されるんです。食べやすくて喉越しも良い。メバルもそれを知っていて集まってくる。よって釣り方としてもそんな状況を意識したものになります。
皆さんアミが泳いでいるのを見たことってありますか?ほぼ水面でくるくると回るような動きですごい密度で群れています。濃い場所では灯りを映した水面にプチプチとその動きが見えるほどです。メバルは水面50cmほど下の層でサスペンドしていて、一定間隔でライズしながら捕食します。メバルのライズって食べているベイトによっても形が違うんですよ。それがアミの場合、小規模な水の攪拌とともにごく小さな飛沫を上げます。これが遊泳性の強いベイトの時は水の撹拌も激しく飛沫も高く上がります。食い上げてくる勢いの差ですね。飛沫が上がらずモワッと円形にライズが出たらそれは小アジです。さらにピンポイントで撹拌も飛沫もない極小のライズが見えたら、メバルでもアジでもなく稚鮎やコウナゴ、小ボラなどのプランクトンを捕食するやや大きめのベイトなんです。この時期、流れと灯りのあるdeepエリアではたいてい何がしかのライズって出るもので、その形態によって魚種や状況が分かるんです。面白いですよね。
2月3月の頃、出るライズはほぼアミのものです。アミは一部赤みのある透明色。サイズは数ミリですが灯りに透かされ光を複雑に屈折させます。下から見上げているメバルはアミ単体ではなくその光の屈折を見ています。アミの密度が濃ければ濃いほど光の屈折の範囲は大きくなり動きも激しくなります。
そんな状況、ルアーは迷わずビーナッツクリアを選びます。ビーナッツは背のスケールパターンと下半分のソリッド構造によって強い光の屈折を生みます。それを意識して作られたルアーなんです。アミパターンの場合、アクションとしては横移動が大きくてはダメで、できるだけ一箇所に留めアピールするように操作する事が肝です。極々スローに巻くか、ステイさせるのが基本なのですが、よりアピールを強くメバルの狙いを絞らせるために一箇所で首振りさせるアクションが極めて有効です。光の屈折とその動きを激しくすることによりアミの凝縮の濃さを演出するわけです。このアクションはロッドの小刻みなシェイキングによって生み出されます。3〜4回/秒ぐらいのほぼ「手の震え」レベルのアクションですが、ルアーを潮の流れに乗せて遡らせる方向で、水の重さを使ってその一回一回のシェイクに常にルアーの負荷を感じる事が大事です。トントントントントントンと。そうしないとルアーは首を振ってくれません。デッドスローただ巻き、ステイ、それで食わない状況があったとしたら是非やってみてください。格段に食ってきます。一様に広く存在するアミの、より濃い部分をメバルは狙っているからですね。