活性の高い個体だけでなく、なんとなくぼーっとしている個体でも、簡単に食べられるものなら食べましょうって言う事が多いでしょうし、スイッチを入れるのはワームの方が入れやすいと思っています。ひとしきり探っているとその日のあたりのある場所が見えてきて、そういうポイントを重点的に撃っていくわけです。厳冬期ならばメバルの着き場は潮通しのいい壁際の少し深め、あるいはボトム付近などという場合が多いですが、この時期ならば魚は浮いている場合が多いので、ルアーを通してくるレンジは深めで1mくらいを引いてきますし浅ければ50センチくらいのレンジを引いているイメージです。広いエリアを探ってメバルの付き場や向きがわかったところで投げる方向と船の流す方向を調整します。攻めるポイントが決まったところで「魚骨」の話です。
「魚骨」はヘッドパーツ、ヘッドパーツに埋め込まれたワイヤーについたペラ3個、テイルパーツに分かれておりフックはヘッドパーツの腹側についています。トレブルフックではありますが、フックはひとつなので、魚をかける上での工夫とやりとりをする上でのコツがあります。僕のコツをお伝えしておきますので参考にしていただき、自分なりの使い方を見つけてみてはいかがでしょうか?
タックルセレクト
僕はシャープに振り抜けて少し重いものも投げられるトレバリズムシリーズのキャビンGRF-TK606CT-tipを使っています。ロッドティップの特性としてはカーボンチューブラーのティップなので、チタンティップやカーボンソリッドに比べると硬めのティップで、張りのあるティップはルアーの操作性に優れています。このロッドを選ぶ時はラインはPEラインとフロロカーボンラインの2種類に絞っています。ざっくり言うと、PEラインは少し距離のあるところのリグをしっかり感じて動かす時に使います。フロロカーボンラインはプラグを投げる時でバイトを弾かないようにするために使います。適度なラインの伸びが重要だと思っています。PEラインは0.4号とリーダーをフロロカーボン1.5号をFGノットで結束して使い、フロロカーボンはBREADENフィネスフロロ0.8号をリーダーなしで使っています。当然細糸のPEの方が飛距離や感度は上ですが、ボートゲームでは距離よりも正確なキャストが求められるのと、ここ東京湾では不意に大きなシーバスの訪問が起こるのでルアーのロストを避けるためにある程度のタックルが求められます。ちなみにトレバリズムシリーズのロッドは全く問題なく80アップのシーバス獲れます。(笑)
そうそう、「魚骨」の使い方でしたねすぐに脱線します、すみません。
BREADENのルアー全般に言えると思うのですが、使い方次第でレンジを刻めるルアーが多いのです。オカッパリの堤防ではゆっくり沈めて使う事も可能ですが、ボートゲームでは動いている船からのゲームですから、投げてからゆっくり沈める事は難しいので僕は主にディープタイプを使います。巻きスピードとロッドの角度で引いてくるレンジを調整しています。比較的浮き上がり傾向が高いのでゆっくり引いてくる事が重要です。巻きスピードは1.5〜2秒に1回転ぐらいのスピードです。ボートゲームの巻きスピードとしてはゆっくりだと思います。この時に巻いてくる方向に逆らっての潮流がある時は「魚骨」の浮き上がり対策としてさらにゆっくり巻く事が必要となります。巻いている時に急に軽くなったり、少し重くなったりしている時はメバルの追尾があり、メバルの水押しでルアーが軽くなる事や泳ぎながらテイルだけくわえている居喰いで重く感じる事があります。その時は何かワンアクションを加える事でスイッチが入るので、巻きスピードを少しだけ加速か減速してみるとか、ロッドの角度を上げるとルアーの軌道が上方向に変わろうとするのであわてて深いバイトをする事があるので意識してみてください。
「魚骨」が得意とするバイトは下からのバイトです。下方向からのアタックはバイト直後に反転して元の場所に戻ろうとするので比較的安易にフッキングが決まります。ヘッド部にあるトレブルフックのみですから合わせは必ず巻き合わせでお願いしたいです。鬼あわせすると唇がちぎれてフックアウトしますし、フッキングポイントが大きな穴になってしまうとその後のやり取り中にフックアウトするので要注意です。ですからあたりを感じたら手前にゆっくりとロッドを倒しながら巻き合わせを心がけてください。
この日のポイントはテトラポットが護岸として積まれているエリアで陸側から照明が所々海面を照らしています。僕の住む横浜エリアではこれらのポイントは陸っぱりのポイントとしても一級ですが、残念ながらほとんどが私有地なので侵入しますともれなく御用となります。港湾部の海沿いは石油施設や化学プラントだったりするのでセキュリティも厳しく、見つかる見つからないの問題でなく侵入すれば犯罪になってしまいます。しかしながらボートゲームでは特別なポイントを除いて海側からのアプローチは許されていますのでガイド船に乗って釣りをさせてもらうわけです。船長が上手に船を操作して、メバルにストレスをかけない距離でアプローチしてポイントにルアーを送り込みます。
まずはメバルの顔が見たいのでマットチャートを投げようと思ったのですが、とても潮が澄んでいて、逆に目立ちすぎはダメかなと考えました。そこでクリアオレンジを投入です。最初のポイントはテトラポットの境目から2mほど影がのびていて、「影の中で喰ってくるかな」かなんて考えながらの第1投でテトラに当たるギリギリに着水と同時にベールを返し急いで糸フケを取りつつの巻き取りをスタート、風の影響もあり意外と早く船が流れるのでゆっくりの巻き取りです。3回転ぐらいで影の外ギリギリでココンッというあたり。ロッドを進行方向に倒しながら糸を巻きながらメバルをフッキングさせる。直後に可愛らしい首振り、「バレないでね〜」と軽口を叩きながら寄せてくる。足下まで来たらフッキングの具合により抜きあげるか、タモ入れするかの判断をしています。「抜きまーす」と宣言してまずは1匹目をゲット、すみやかに写真を撮り即リリースをする。